基本的には、「任意売却」をして不動産を処分(売却)した後に自己破産することをお奨めします。
実は自己破産には2種類の手続きがあり、財産を「持っている」か「持っていない」かによって、自己破産手続きの費用や進み方が大きく変わってくることもあります。
まずは、自己破産の手続きである『管財事件』と『同時廃止』について解説いたします。
・住宅を持っている場合 → 「管財事件」
一定の財産がある場合に適用される手続きです。任意売却を行う前に自己破産を選択するケースは通常、管財事件となることが多いです。
裁判所から選任される「破産管財人」が本人の代わりに財産の処分・換金・債権者への分配を行います。
財産に関しては、破産管財人がすべての権限を持つようになり、本人の自由が無くなります。
管財事件は、手続きの過程が多いため、実際に免責許可が出るまで半年~1年ほどかかります。
破産管財人がつくため、裁判所への予納金が50万円程度かかるほか、弁護士費用も必要になります。
よって、管財事件の場合、コストは高くつき、手続きには多くの時間を要します。
・住宅を持っていない場合 → 「同時廃止」
財産と呼べるほどのものがない場合、財産を処分して債権者に配当する手続きをする必要がなく、破産管財人がつく必要もありませんので、自己破産の手続き開始と同時に手続きを廃止します。
申立から免責までの期間は、早ければ3ヶ月から4ヶ月で終わります。
同時廃止になった場合は、手続きも比較的簡単なため費用も1万円~3万円程度となります。